【警察への報告義務】
事故を起こしたときに車両の運転者が警察を呼ぶことは、道路交通法にもとづく義務です。
この義務のことを「報告義務」といいます
※道路交通法が報告義務を課しているのは「車両の運転者」であり、
特に被害者か加害者かを指定していませんので、加害者が警察を呼ばない場合、率先して通報をしましょう。
【警察へ伝えるべき情報】
・交通事故の日時と場所
・交通事故による死傷者の数や負傷の程度
・交通事故によって壊れたものや損害の程度
・トラックなど荷物を積んでいる車の場合は、事故車両の積載物
・現在行っている措置(交通の妨げや怪我人の救出など)
【その他の義務】
交通事故を起こしたときには、警察への報告義務以外にもいくつか義務があります。
1つ目は、被害者の「救護義務」です。
現場で怪我をしている人がいたら応急処置を施して必要があれば救急車を呼ばなければなりません。
2つ目は、「危険防止措置義務」です。
事故現場に危険物が散らばっている場合などには、散乱しているものを片付けて、車両は道路脇に寄せてハザードランプをつけましょう。視界の悪い場所などの場合は、発煙筒や三角表示板を利用して、後続車に交通事故を知らせ、注意を促すことも大切です。
これらの「報告義務」「救護義務」「危険防止措置義務」の3つを合わせて「緊急措置義務」と言います。
【その場で示談に応じてはいけない】
小さな交通事故だとしても、被害者と加害者同士が話し合い、事故現場で解決してはいけません。その場で解決してしまったことは、口約束でも示談成立となってしまいます。
交通事故による怪我は、事故後すぐに症状が現れないこともあります。
被害者と加害者のみの示談で処理してしまった場合、被害者は加害者に対して治療費の請求をすることができなくなってしまいます。
【警察を呼ばなかった時の加害者リスク】
交通事故で相手に怪我をさせてしまったら、相手を救助する義務を負います。
※もし、警察を呼ばなければ、報告義務違反となり、道路交通法にもとづく罰則が適用されます。刑罰の内容は、3カ月以内の懲役または5万円以下の罰金となります。
(道路交通法119条第1項第10号)
【警察を呼ばなかった時の被害者リスク】
保険を適用する場合には交通事故証明書が必要です。
つまり警察を呼ばなければ交通事故証明書が発行されず、保険が使えない場合があります。
【まとめ】
交通事故を起こしてしまった場合に警察に連絡するのは、自動車を運転する人の義務です。
警察を呼ばないで済ませようとすると、大きなリスクを背負ってしまい、後悔することになってしまう可能性があります。もしも事故を起こしてしまったら、必ず警察を呼ぶようにしましょう。